国際宇宙ステーションの写真を撮った後、彼は今頃どうしているだろうかという想いがふつふつと湧き起ってきていた。
僕の記憶の中には忘れられないもうひとつの「宇宙を飛ぶ鳥」がいるのだ。
1977年、その鳥は放たれた。 NASAの惑星間無人探査機 『ボイジャー』
彼のミッションは太陽系惑星の連続探査の後、ひたすら宇宙空間を飛び続け太陽系以外の知的生命体との遭遇にある。
ボイジャーには地球の50種類以上の言語で「こんにちは」という言葉と、ザトウクジラの声などの地球のさまざまな音「The Sounds Earth」、そして地球の位置を示す記号が刻み込まれた銅版製の金色のレコードが積み込まれている。

もしボイジャーが再び地球に戻れる日があるとすれば、それは宇宙の何処かで知的生命体に遭遇、彼らがレコードを解明して地球を探し出し、ボイジャーを連れ帰った時だけなのだ。
それまでボイジャーはひたすら孤独に飛び続け、そして彷徨う。現在ではもう地球からの制御も不能になっている。

銀河系の外れにある奇跡の星「地球」。人類の英知が宇宙空間に到達するレベルになったというメッセージを積みこんで、現在、地球から225億万km(太陽と地球の距離の150倍)離れた所をたった一人で飛び続けている。
2020年、動力も途絶える。

Voyager  地球の子供、そして孤高の旅人。